日本では古来より妊娠5ヶ月になる最初の戌の日に安産祈願をして腹帯を巻きはじめるという風習があり、妊娠中期頃から腹帯を使い始める妊婦さんも多くいます。これから出産まで使う腹帯の種類や特徴、安産祈願の持ち込みにおすすめの腹帯などをご紹介します。
この記事の内容
戌の日に安産祈願をして腹帯をする習慣は日本独自
日本では妊娠5カ月の戌の日に安産祈願にいき、腹帯をつけるという風習があります。
腹帯を巻くというのは日本独自の文化で、諸外国ではあまり見られないようです。
実際、「妊娠中に腹帯を巻くことが良い」とされる科学的な根拠はなく、逆におなか締め付けることは胎児の発育に影響があるので避けた方が良いと言われているほどです。
腹帯を巻くとき、くれぐれもきつくなったり締め付けたりしないように注意しましょう。
そもそも、どうして戌の日に腹帯を巻く風習が生まれたのでしょうか?それは大昔、神話の時代にさかのぼります。
日本で最初に腹帯を使ったと言われているのが、安産の神様として崇められている「神功皇后(じんぐうこうごう)」です。応神天皇のお母さまで、安産祈願で有名な神社、八幡神社などに祀られている神様です。
神功皇后は応神天皇を身ごもった体で三韓征伐へ行き、妊娠後期だったために鎧が合わずに石をお腹に挟んで腹帯で巻いたと言われています。、
帰国後、無事に応神天皇を出産したことから、安産の神様として崇められ腹帯も知られるようになりました。
犬は多産でお産も軽いことから、12日に一度訪れる戌の日に安産の祈願をし、腹帯を巻くことを「帯祝い」と呼びます。
お寺や神社で安産祈願をする際、腹帯を持ち込みお祓いしていただけることがほとんどですので、腹帯を持っている場合は一度問い合わせて、持参可能か聞いてみると良いでしょう。
腹帯はお腹のふくらみが目立ってきてから
腹帯はこのように、「帯祝い」と言われる風習もあることから、お腹のふくらみがだんだんわかってくる、妊娠5ヶ月頃、妊娠中期・安定期につけ始めるのが多いようです。
お腹が大きくなり始める時期から、妊娠線ができやすくなることもあり、最近では保湿の役割も兼ねて腹帯をつけている妊婦さんも多いようです。ただ、夏場は暑いので、無理に腹帯をすることはありません。
妊娠5ヶ月頃よりつけ始める腹帯、いつまでつけていたら良いのかという決まりは特にありませんが、多くは出産後には必要なくなりつけなくなることが多いでしょう。
ただ、出産後は骨盤の開きを元に戻すためにさらし(岩田帯)やとこちゃんベルトが使われたりしますので、必要に応じて使い続けていくのがベストです。
腹巻タイプの腹帯は、冷え防止にもなりますので冬場は出産後も使うことがあるかもしれませんね。
腹帯の種類 – 体に合った腹帯の選び方
昔は腹帯と言えば白いさらしの布でしたが、今では筒状の腹巻タイプやパンツのように白ガードルタイプ、骨盤をしっかりと支えるサポートタイプなどがあります。
どれもそれぞれ特徴があります。ご自身の生活スタイルに合った腹帯を選ぶといいですね。
それぞれの腹帯をご紹介します。
腹帯の種類 – 伝統的な岩田帯とはさらしのこと
今ではいろいろなタイプがありますが、昔は腹帯と言えばこのさらしの岩田帯のことでした。
白いさらしで、安産祈願ではこのタイプの腹帯を授与されることが多いようです。
昔は白い一枚のさらしを腹帯としていましたが、今は犬印から巻きやすいマジックテープ付きのものも出ていて、腹帯を始めて巻く方でも簡単にできるようになっています。
神社やお寺に持参する腹帯としては、この白いさらしタイプの腹帯が一番スタンダードなものになります。
さらしの腹帯は自分で巻くため、きつさが調節でき骨盤を締めるにはちょうど良いのですが、あまりきつく締めすぎてしまうと、お腹の中の赤ちゃんを圧迫してしまうので注意が必要です。
態勢によってはきつく感じる場合もあるので、あまりリラックスできる腹帯ではないかもしれません。
腹帯の種類 – 腹巻タイプ
筒のような腹巻タイプの腹帯。このタイプの腹帯は着脱がとても楽で、収縮性があるのでリラックス時に最適です。
きつめのものを選んでしまうと苦しくなってしまう可能性があるので、ゆったりとしたワンサイズかツーサイズ上のものを選ぶと良いでしょう。
夏は暑くて蒸れやすくなる可能性があります。もし夏も冷え防止用に腹巻タイプの腹帯が必要であれば、夏用の通気性の高いものを選びたいですね。
この腹巻タイプは、着脱しやすく気軽につけられることから人気で、種類もサポートベルトがついているタイプや、赤ちゃんを電磁波から守る電磁波遮断タイプもあるのでご自身にあったものを選ぶことができます。
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腹帯の種類 – ガードル・パンツタイプは冷え防止に
最近は妊婦さんでもパンツスタイルのファッションを楽しむことも多くなりました。
パンツ・ガードルタイプの腹帯はお腹をサポートする機能を持ちながら、パンツスタイルなので腹巻タイプ違ってずれてこないことやシルエットがきれいになることが特徴です。
ガードルと聞くと少しきつそうな気がしますが、締め付けないよう工夫されていものが多く、下着の上からつけるタイプのもの、直接マタニティーショーツとして使えるものもあり最近では人気になってきています。
筒タイプの腹帯だと、長時間動いていると上に上がってきてしまったり、ずれてきてしまったりします。
パンツタイプははくタイプなのでずれることもなく、比較的良く動く妊婦さんにおすすめの腹帯です。
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腹帯の種類 – 骨盤をしっかりサポート・ベルトタイプ
骨盤の開きや恥骨、腰の痛みがある時にしっかりサポートしてくれるのが、サポート・ベルトタイプです。
こちらは腹帯というよりもどちらかというと腹巻タイプやさらしの上にプラスしてつけて使います。
産前につける時はお腹をあまり締め付けないように注意が必要。
産後、骨盤を締めて体型を戻して行く時には役に立つアイテムです。とこちゃんベルトなども、このサポート、ベルトタイプとして知られていますね。
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安産祈願に腹帯は持参派?おすすめの腹帯
腹帯で人気があるのが女性の下着ブランドで有名なワコールと妊婦さんの下着を数多く取り揃えていて、お値段もお手頃な犬印の二つが代表的です。
どちらもしっかりと妊娠中の女性のために開発された下着で妊婦さんの間でとても人気が高くなっています。
安産祈願で授与される腹帯は昔ながらの岩田帯が多いのですが、神社や寺院によってはワコールや犬印の腹帯が授与品になっていることもあります。それだけ妊娠中の女性に支持されているマタニティ下着ということですね。
神社や寺院は多くの場合、安産祈願の祈祷の際に腹帯を持参することができます。腹帯をお祓いし、安産を願います。
腹帯は受付時に渡し、お祓いが終わった後は御朱印を捺していただけることがほとんどですので、持参する腹帯はできれば色の薄いベージュや白い色のものがおすすめです。
また、神社や寺院によっては持ち込める腹帯は岩田帯のみ、というところもありますので、ご自身の使いやすい腹帯が持ち込み可能か事前に確認しておくと安心です。
もしどんな腹帯を持参するか迷ってしまったら、スタンダードな犬印の岩田帯が無難でしょう。
帯祝いや贈り物としても使われ、ただのさらしではなく、巻き終わりの部分が収縮性のある素材で作られマジックテープで止められるようになっています。初めての方でも巻きやすいように作られ、お値段も2千円から3千円ほど。
その後、お腹が大きくなるにつれてライフスタイルに合った腹帯を選び買い足していくようにしてもいいですね。
産後の腹帯活用方法
妊娠中にいろいろと活躍してくれる腹帯ですが、出産後はどのように活用できるでしょうか?腹帯は妊娠中だけに使うものと思ってしまいがちですが、実は産後も活躍してくれます。
安産祈願で授与される岩田帯、さらしタイプの腹帯は妊娠中はあまり実用的ではないかもしれません。腹巻きタイプやガードルタイプの腹帯を使っている妊婦さんが多いかもしれませんね。
実はこのさらしの腹帯、産後の開いた骨盤をきゅっと締めるのに非常に役立ってくれるんです。
分娩時では赤ちゃんが出てくるとき、骨盤が大きく開きます。
そして産後、だんだんとその骨盤が閉じてくるのですが、産後間もない間は外側からも骨盤を閉じるようにサポートすることで産後きれいに体を戻すことができます。
産院によっては、出産後赤ちゃんを抱くのが先かさらしで骨盤をしめるのが先か、と言う程素早くさらしを巻いてくれるところもあります。
とこちゃんベルトも産前産後の骨盤のサポートとして人気があるアイテムです。
産前産後に腰痛に悩まされていたり、尿漏れや恥骨の痛みを感じている場合はしっかりと骨盤を締める役割のあるとこちゃんベルトを活用してみるのもおすすめです。
とこちゃんベルトやサイズや着用の仕方も決められていますので、体にあったものを選ぶようにしましょう。産院で売っているようであれば、助産婦さんと相談しながら決めるのがいいと思います。
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妊娠中期頃から腹帯を巻くのは日本独自の風習です。
お腹を強く締めすぎるのは赤ちゃんにも良い影響はありませんが、お腹を保護する、冷えを防ぐ、などと言う点ではご自身にあった腹帯を使い始めても良い頃です。
腹帯をつける時はくれぐれも強く締め過ぎず、体に無理のない、ご自身の体に合ったものを選ぶようにしましょう。
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