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宇美八幡宮や水天宮本宮だけじゃない!福岡県での有名安産祈願スポット5選

福岡県 水天宮 目的で選ぶ!安産祈願

福岡県での安産祈願といえばまずは宇美八幡宮や水天宮本宮が有名ですが、他にも子どもの健やかな成長を願うための寺社が数多くあります。とくにここは人生の節目節目を寺社で祝う、願い事をする、贈り物をするなどの風習が色濃く残る地域でもありますので、いくつか特徴的なスポットをご紹介しましょう。

この記事の内容

応神天皇がお生まれになった山紫水明の地 宇美八幡宮 〜福岡県糟屋郡宇美町〜

日本書紀、古事記でともに「応神天皇の生誕の地」と記される宇美は、古くは「筑紫の蚊田」と呼ばれる地域でした。ここへ神功皇后の産所が設けられ、エンジュの木の枝にすがりながら無事安産で皇子をお産みになったことから、のちに「宇美」と呼ばれることになりました。

産所の四辺に八つの幡(はた)を立てていたことから、お生まれになった応神天皇は「八幡大神」とも呼ばれ、当地は「八幡宮」の発祥地でもあります。

エンジュの木は今でも絶えることなく神社に実在し、その後も皇室女性の安産祈願に用いられてきました。エンジュ自体にも解毒作用があり、中国では同じく枝にすがって安産を願う信仰があるそうです。

神社の末社「湯方社」周辺には、たくさんの石が積まれた石垣があります。「子安の石」と呼ばれるこれらの石は、安産を祈願した妊婦さんたちが持ち帰る「鎮めの石」。安産で済んだ折には別の石を用意し、子どもの名前を記してお礼参り(お宮参り)のときに納める習わしとなっています。

この他にも応神天皇誕生の際に産湯として使われた「産湯の水」、産後の胞衣(えな)をすすいで奉納したとされる「胞衣ヶ浦」など、一連の皇子ご誕生神話と安産信仰の対象は、県の文化財に指定されています。

また境内の樹齢2000年以上とも言われるクスノキはそれぞれ「湯蓋の森」「衣掛の森」と名付けられ、国の天然記念物に指定されています。

宇美八幡宮 〜福岡県糟屋郡宇美町〜
所在地:〒811-2101 福岡県糟屋郡宇美町宇美1−1−1
電話番号:092-932-0044
交通アクセス:JR宇美駅から徒歩10分
西鉄バス宇美八幡前バス停下車すぐ
安産祈願料:5千円, 1万円

全国水天宮の本社で遠くハワイにもその社あり 全国総本宮水天宮 〜福岡県久留米市〜

福岡県 水天宮

福岡県 水天宮

壇ノ浦の戦いで亡くなった人、落ち延びた人ゆかりの神社。戦の後、敗れた安徳天皇と母・高倉平中宮、女官たちは入水という悲しい運命をたどりますが、その中に筑後の鷺野ヶ原(さぎのがはら)まで落ち延びた女官・伊勢がいました。彼女がのちの建久元年(1190)に当地へ水天宮を祀り、亡くなった天皇と平家の武将たちを厚く弔います。これが水天宮の発祥と言われます。

この伊勢という女官はその後も水天宮の隆盛に関わる不思議な人物で、伊勢こそが安徳天皇を抱いて入水したとする文献もあります。のちに彼女は「千代」と名を改め、剃髪し、庶民のために祈祷などを行いますが、あまりにそのご利益が確かだったことから参拝者が増え続け、高名が広まり、当時神社は「尼御前神社」と呼ばれていたそうです。それもそのはずで、千代は奈良の古い神社の娘として生まれ、小さいときから祈祷を行う女性でした。

その後も千代は、かくまい続けてくれた村人に大切にされながら当地で暮らし、やがて亡くなります。村人は千代への感謝としてほこらを建て、そばに一本の松の木を植え「千代松明神」として祀りました。

元は水の神として、そして後世では安産子育ての神として水天宮は厚く信仰され、現在では全国に水天宮の社が広まっています。ちなみに東京の水天宮は明治4年にここから勧請されたものですし、実はあのハワイにも水天宮のお社があるのをご存じでしたか?安産信仰は万国共通のようですね。

全国総本宮水天宮 〜福岡県久留米市〜
所在地:〒830-0025 福岡県久留米市瀬下町265
電話番号:0942-32-3207
交通アクセス:JR久留米駅より徒歩10分
安産祈願料:5千円

ちょっと珍しい鶏と赤ちゃんとのつながり  香椎宮(かしいぐう)〜福岡県福岡市〜

1800年の歴史を持つ仲哀天皇と神功皇后ご夫妻のお社。もとは神社ではなく「廟(びょう)」と呼ばれる神霊を祀る場所で、朝廷から特別な待遇を受けていました。

当地の「かしい」という珍しい地名は、シイの木に仲哀天皇の棺を掛けた際、香りがしたことに由来するなど、諸説ある古い名です。

西暦200年頃、熊襲(くまそ)の反乱を鎮めるべくこの香椎の地に夫婦で赴いた仲哀天皇ですが、志なかばで亡くなります。これ以後神功皇后は天皇の代わりとなってご神託を受け、八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍を見せるのですが、凱旋後自ら建てられたのが亡き夫の御霊を鎮めるほこらだったといいます。

これが香椎宮の始まりです。のちに夫婦ともにここへ祀られ、香椎宮は仲睦まじい夫婦の象徴として信仰を集めるようになりました。

この香椎宮の末社に「鶏石(けいせき)神社」という鶏を祀ったお宮があります。鶏は卵からかえることから、形なきところから物事がうまれる、あたためていた念願が成就する「つくりかためなせ」というご利益があるとされます。

神社発祥は江戸時代とのことですが、当時から鶏を祀った神社は大変珍しく、現在でも養鶏業者が参拝するほか、鶏は「夜鳴かない」と言われることから「子どもの夜泣き」にもご利益があるとされます。お子さんが大きくなったら思い出して参拝されるのもいいでしょう。

香椎宮(かしいぐう)〜福岡県福岡市〜
所在地:〒813-0011 福岡県福岡市東区香椎4丁目16−1
電話番号:092-681-1001
交通アクセス:JR香椎駅から徒歩12分
安産祈願料:5千円

学問の神は子どもの神でもある  太宰府天満宮 〜福岡県太宰府市〜

福岡県 太宰府天満宮

福岡県 太宰府天満宮

菅原道真公を祀る全国の天満宮の総本宮。「天神さま」は今から約1100年前に創建され、学問、厄除けのご利益で知られる神社です。

菅原道真公は早くから学問の才能を示し、また弓の名人でもあるなど「神童」「文武両道」の誉れが高かった人物ですが、その生涯は実に波乱に満ちたものでした。成人となり政治の舞台で実績を重ね、右大臣にまで登り詰めますが「好事魔多し」、ライバルに無実の罪を着せられ、ここ太宰府に流されてしまいます。

当地では食べることもやっとの貧しさに苦しみますが、自暴自棄にならずひたすら誠を尽くし、自身の潔白を祈り続けました。無実が証明されたのは残念ながら道真公の死後となりますが、まじめでひたむきな人柄は後世の人々に厚く支持され、今も「学問の神様」としてご利益を授けています。

一方で天神さまは「子どもの神様」でもあるといわれます。これは江戸時代、地域の子どもたちが通った「寺子屋」の普及で、学びと子どもの成長を結びつける考え方が広まったことによります。地域によっては初節句のお祝いに天神さまの人形を贈る風習もあり、天神さまと子どもとの接点は意外に強いのです。

また大人になっても地域、家族単位で「講(こう)」という小さな組織を作り、天神さまを信仰する人が大勢います。天神さまは学びだけでなく、庶民の暮らしを支える存在として、太宰府の地に深く根付いているのです。

太宰府天満宮 〜福岡県太宰府市〜
所在地:〒818-0117 福岡県太宰府市 宰府4丁目7−1
電話番号:092-922-8225
交通アクセス:西鉄太宰府駅から徒歩5分
安産祈願料:5千円から

女性の悲しみを救う「あはしまさま」の社  淡島神社 〜福岡県北九州市〜

少名比古那神(すくなひこなのかみ)を祀った850年の歴史を持つ神社。六条天皇の時代、紀伊国加太にあった淡嶋神社を勧請したのが始まりとされます。

この紀州加太にあった淡嶋神社には「あはしまさま(淡嶋神)」という方が祀られています。淡嶋神は天照大御神の六番目の子であり、また住吉大神のお妃でしたが、不幸にも病、それも婦人病にかかって淡嶋に流されてしまいます。その境遇を嘆いた淡嶋神は「世の女性の悲しみを救いたい」とおっしゃり、加太に祀られたといいます。

のちに淡嶋神に祈願すれば「病気もなく丈夫な子どもを授かる」と信じられるようになり、淡嶋神の安産信仰へと発展しました。

淡嶋神の正体については他にも諸説ありますが、明治の神仏分離などの影響で全国多くの淡島(または粟島)神社のご祭神が、「淡嶋神」から「少名比古那神」に置き換えられていることも覚えておきたいところです。

神社本殿前には「おなで石」という石がたくさん置かれています。この石で自分の体の悪いところを撫でてもよし、また妊婦さんならお腹を撫でると元気な子どもを授かるという言い伝えがあります。

ですが、くれぐれもこの石に願い事やお名前を書かないように。願い事はきちんと絵馬に書き、神社備え付けの絵馬掛け所に奉納しましょう。

淡島神社 〜福岡県北九州市〜
所在地:〒800-0011 福岡県北九州市門司区 奥田四丁目九番五号
電話番号:093-371-8428
交通アクセス:JR門司駅駅よりバスまたはタクシー 
バスの場合は「淡島神社前」
安産祈願料:5千円より

子どもの成長を熱心に願う土地柄だけあって、安心して参拝できる寺社がたくさんあるのが福岡の特徴です。

ご祭神の顔ぶれも、古代から歴史の表舞台に登場してきた福岡ならではの賑やかさ。ぜひ目的にぴったりの寺社を探してお参りなさってください。

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